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Fumitaka TAKEIRI solid state chemistry, materials science
無機固体における合成反応の開発と新物質探索・機能開拓
酸化物や合金などの無機固体では、無数の原子あるいはイオンが凝集することで、電子伝導・イオン伝導・誘電性・磁性・超伝導といった多様な機能があらわれます。それら機能を引き出し、向上させるためには、どの原子・イオン種をどのように並べるかが非常に重要となります。
しかし、無機固体において原子・イオンを狙った位置(サイト)に置くことは簡単ではありません。様々な化学反応によって官能基・配位子を高い自由度で操ることができる有機・錯体分子とは対照的に、1000ºC前後の高温焼成によって合成される多くのセラミックスでは、結晶構造と組成に限りがあります。今日において新物質・新材料を発見するためには、何らかの工夫が必要です。
そこで私は、低温トポケミカル反応・高圧合成・電気化学的インターカレーションといった合成手法を駆使することで、「自由度の高い無機固体合成」に挑戦しています。特に結晶骨格を担うアニオン種の複合化(複合アニオン化)に注力し、単純な酸化物や窒化物では得られない配位環境、さらにはそれを活かした機能の創出を目指しています。夢は局所配位と周期構造を自在にデザインする精密無機合成、すなわち「ほしいものをつくる固体化学」の実現です。
これまでの研究成果
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固体電解質を用いたヒドリドインターカレーション反応
ヒドリド固体電解質を用いたセルを構築し、室温での電気化学的水素化反応に成功しました。これを基盤技術とした未開拓のヒドリド準安定相の創出を目指します。
